フリマアプリ「フリル」の共同創業者である3名が新たなに展開するB/43は、「家計簿アプリ」と「Visaプリペイドカード」がセットになった「家計簿プリカ」という新しいサービス。毎月の予算をカードにチャージして日々の支払いをすることで、自動で記録され、見える化されるので、支出管理をかんたんに継続することができます。
共同創業者/CTO 堀井雄太さんの最新Postには、CTOならではの視点から新たな創業・新サービス開発秘話が熱く語られています。
なぜこのプロダクトを作ろうと思ったかは @shota の記事に、どんなプロダクトなのかは @takejune の記事にもっと詳しく書かれていますので良かったらそっちも見てもらえると嬉しいです。簡潔にいうとフリマアプリを運営する中で感じた多くの人が支出を正しく把握できていないという課題をこのプロダクトで解決したいと思っています。
■初期の開発について
フリマプリの企画からリリースまでは半年でしたが、B/43 は約2年リリースにかかっています。 お金を預かってカードを発行し決済させる、お金は自由に出金もできるという銀行と同等の機能が必要で、プロダクトを成立させるまでのミニマム要件が下記のような感じでした。
・会員 / 認証基盤
・eKYC
・AML / ASF(マネーロンダリングや反社チェックの仕組み)
・物理カード発行 / 管理基盤
・Visa 決済システム
・入出金システム
・勘定系、残高管理システム
・Push 通知配信基盤
・上述の機能を横断的に取り扱う管理画面
書き出してみると、一つの機能が大きく、それなりに大変そうですね 😌(実際大変でした)
海外では Marqeta や Stripe といった Banking as a Service(BaaS)事業者が上記の機能を部分的にサービスとして提供しており、彼らのサービスを使うことで、工数を圧縮できる余地がありますが、日本の現状だとBaaSプレイヤーは少なく、大部分は自社で開発する必要があるでしょう。
■技術的なハードルについて
今回はただ作るという面以外に、実は下記の2つの要件をクリアする必要がありました。
・PCI DSS(クレジットカード業界の国際セキュリティ基準。カードを発行するために必要で、審査機関による認定を受ける必要有り)
・資金移動業者登録(預かったお金を現金として出金できるようにするために必要)
どちらも、高いセキュリティ基準、及びそれを執行する体制、膨大な量の書類の提出が必要で、資金移動業者として登録完了までにちょうど1年程度かかりました。
振り返って考察すると、フリマアプリはプロダクトとして最低限成立させるための要素はそれほど多くなく、サービス自体をローンチさせるのはそれほど難しくなかったでしょう。事実我々がサービスインした1年後には、レッドオーシャン化し大手IT企業、メルカリのようなベンチャー企業が続々と参入してきました。(ビジネスとして勝ち切るのはまた別の話ですが)
しかし、今回のサービスは開発難易度、クリアするべき規制や法令、開発・運用にかかる莫大なコスト等々、非常にハードルが高いので、プロダクトを作れること自体がある程度の参入障壁になっているとも言えます。ベリーチャレンジングですね。
ここから少し技術的な取り組みを振り返っていきましょう。
(中略)
https://yuta.hatenablog.com/entry/2021/04/28/090354
■最後に
少々長くなりました。いくつかの技術的なハードルを超えて、やっとプロダクトをリリースし、今は日々数字やユーザーの反応を見ながら改善を加えていっています。
プロダクトを作ってみて、改めて簡単ではなく、ユーザーの課題を解決しつつビジネスとして成立させることの難しさも感じています。
いくつかトピックを上げたように、モバイルアプリ / インフラ / サーバサイド、どのレイヤーを切り取っても開発が難しいコンポーネントがあり技術的なチャレンジは今後も続いていくでしょう。
大変なテーマを選んだなという実感もありますが、なんだかんだいって自分はこの 0 からプロダクトを生み出していく瞬間が最高に好きです。技術力を注ぎ込んで作ったプロダクトが課題を解決するシーンを見るのが最高に楽しく、そこにエンジニアを目指した原点があると思っています。
また、チームも最高にいい状態です、スピード感があり、阿吽の呼吸で開発が進んでおり、もう数ヶ月すればまた目玉となる機能をリリースできそうです。
つらつらと書いてきましたが、入金方法拡充や送金など基本的な主機能の追加の他に、電文情報の蓄積 / マイニング、カードの非接触決済の対応やデジタルマネーの給与受取など、まだまだ対応しないといけないことがあります。Android 版もまだない…!
例によって一緒に開発してくれるメンバーを大募集中です。 このエントリーや他のエントリーを見て、ちょっとでもプロダクトに興味が湧いた人は是非カジュアルにお話させてください。とりあえず、緩く話を聞いてみたいといったレベルでも全然OKです!いつでもご連絡お待ちしております!
https://yuta.hatenablog.com/entry/2021/04/28/090354